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【完全版】EPA取得手順から原産地証明の取得まで8ステップを徹底解説

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国境を超えて貿易を行う場合、互いの国は入ってくる商品に関税(税金)をかけます。
これは“自国の産業を守るための手段”として多くの国が実施しております。
最近のニュースで、安倍首相とトランプ大統領との”ゴルフ外交”なども話題に上がりましたが、各国の経済力をより向上させるためには国境を超えた交流というものも必要不可欠なことです。
そこで関税をかけて国を守るやり方から、関税をかけずに“開かれた国”としている内容をまとめている物が『EPA(経済連携協定)』になります。

EPAを利用すると、、、

①「輸出入にかかる関税」を撤廃・削減する。
②「サービス業を行う際の規制」を緩和・撤廃する。
③「投資環境の整備」を行う。
④ビジネス環境の整備を協議する
EPA加盟国間であればどの国で作った商品であっても“関税無税”で輸出できる可能性があるため、他国との競合関係もより有利に進められます。
もちろん、すでに取引先・パートナーいる企業であれば、関税の撤廃・削減を行うことで今より有利に進めることが可能です。

FTA/EPAとは

そもそも、FTAやEPAというものはどのような協定なのか両者の関係性も含めて見ていきましょう。

FTA:(Free Trade Agreement、自由貿易協定)
ある国や地域との間で、関税をなくし、モノやサービスの自由な貿易を一層進めていくことを目的とした協定のこと

EPA:(Economic Partnership Agreement、経済連携協定)
FTAを基礎としながら、これに加えて投資の促進、知的財産や競争政策等の分野での
制度の調和、様々な分野での協力などより幅広い分野を対象として、経済上の連携を
強化することを目的とした協定

経済協定

JETRO HPより抜粋

図にある通り、FTAはEPAの中に含まれるという関係性です。
関税のFTA、より幅広いEPAということです。
ちなみに、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)も最近話題に上がりますが
こちらはEPAの範囲で話し合われています。

FTA/EPAを利用してみる

実際にFTA、EPAを適用する場合の手順についてまとめると、場合によって多少の順番の前後はありますが、以下のようになります。

1、相手国がFTA/EPAの締結がされているか確認
2、輸出品のHSコードを確認
3、そのHSコードの関税率を確認。ゼロなら検討不要
4、FTA/EPAを活用できるか確認
5、FTAの税率が、一般税率やMFN税率よりも有利かどうか確認
6、FTA税率を適用するメリットがあるか検討
7、特定原産地証明書の入手
8、特定原産地証明書を相手国(輸出先)へ提出し、適用してもらう

品目によっては一般税率の方が安い場合があります。段階的撤廃の場合、名目上の基準税率から毎年少しずつ税率を安くしていくことが多いため、税の逆転現象がおきるケースです。この場合は、安い税率を適用するため、あえてFTAを活用せず、適切な時期が来てからの適用検討を行うことになります。

また二国間のFTAと多国間のFTAの双方を締結している場合、同じ条件とはならないことがあり、より安い税率のほうを選ぶことができます。どちらの協定を用いるかは輸入申告者の自由ですが、該当するFTA・EPAに対応する原産地証明書が必要となります。

1、相手国がFTA/EPAの締結がされているか確認

経済連携協定(EPA)・自由貿易協定(FTA)の調査

輸出先が決定したら、輸出国と輸入国が発行しているEPA・FTAについて調べる。

FTA締結国について
https://www.jetro.go.jp/world/reports/2016/01/de4c8426d0f5ef97.html

EPA締結国について
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/index.html

まずは輸出先が各協定を結んでいるのか確認しましょう。

また、現在日本とEPAを発効・署名済みの国・地域は以下の通り

日インド協定  日インドネシア協定  日オーストラリア協定  日シンガポール協定
日スイス協定  日タイ協定   日チリ協定   日フィリピン協定
日ブルネイ協定  日ベトナム協定  日ペルー協定  日マレーシア協定
日メキシコ協定  日モンゴル協定  日アセアン協定

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/

123

外務省HPより抜粋

2、輸出品のHSコードを確認

HSコードとは、あらゆる物品に世界共通の番号をつけることで、その分類を共通認識することを目的とし、
貿易を行う際の関税率の決定や品物の国籍を示すための重要な番号です。
「商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約(HS条約)」
に基づいて品目毎に定められているコードです。
通関時には関税率を決めるためにHSコードで商品を特定する必要が出てきます。
HSコードを調べるためには財務省関税局のWEBサイトより確認することができます。

http://www.customs.go.jp/tariff/index.htm

*ここでは便宜上、輸入統計品目表の紹介をしています。
日本からの輸出をする際に利用する場合は
輸入相手国により、どのHSコードを適用するか判断が異なる場合がありますので、
必ず輸入者を通じて輸入国税関に確認することを推奨します。

3、そのHSコードの関税率を確認。ゼロなら検討不要

すでに関税率が0であれば検討する必要がありません。
HSコードを元に一般関税率の確認を行いましょう。
日本に居住されている方に限られますが、jetroのサイトより無料で利用できるデータベースがありますのでご紹介します。

https://www.jetro.go.jp/theme/export/tariff/registration.html

1

初めての方へをクリック

2

ユーザー登録ページへ

3−2

 

 

登録が済むと以下のページURLがメールにて送られて来ます。

4

HSコード検索をクリック

5−5

 

・仕向け国/輸出先
・分類
・項
の項目をプルダウンより選択し、Submitをクリック
(英語でわかりづらい場合はhttp://www.customs.go.jp/tariff/index.htmこちらもあわせて確認してください)

指定した商品のHSコードと関税率が出て来ます。

4、FTA/EPAを活用できるか確認

EPA/FTAを活用するためには大きく2つの項目の確認が必要です。

■原産地規則
■譲許表(タリフスケジュール)

■原産地規則
EPA税率の適用を受けるためには原産地規則を満たす必要があります。
各協定で品目毎にルールが定められていますが、主に以下の条件を満たすものが原産品であるとみなされます。
①EPA締約国内のみで完全に生産・採取されたもの(農産品・鉱物等)
②他国から輸入した材料を用いる場合には、EPA締約国において「実質的な製造・加工」が行なわれたもの(加工品・鉱工業品等)

■譲許表(タリフスケジュール)
各国との協定の締結により膨大な数の貿易品目に関税の撤廃・削減が取り決められており、これらの品目によっては数年間をかけて関税率を低減するといった措置が取られている場合があります。
これには大きく3つの種類があり、
・ノーマルトラック:通常のスケジュールで減免、撤廃
・センシティブトラック:低減率に制限あり
・エクスクルーシブトラック:関税減免の除外品
これらも各協定の附属書などに記述されています。
EPAを利用される際には、必ず各協定の条文、附属書にある原産地規則の内容・譲許表をご確認ください。

5、FTAの税率が、一般税率やMFN税率よりも有利かどうか確認

3、よりFTAを利用した税率とでどちらが有利な税率になっているのかを確認を行います。
品目によっては一般税率が下回る場合があります。
これは段階的撤廃の場合に起こり、毎年少しずつ税率を下げるために逆転現象が起こるのです。
この場合はFTAで下回る時までは活用を止め、適切な時期が来たタイミングで申請を行うことをお勧めしております。
また、二国間のFTAと多国間のFTAの双方で締結を行なっている場合(ASEANでの締結をASEAN各国との締結)は同じ条件にならないことがあり、より税率の低い方を選ぶことができます。

6、FTA税率を適用するメリットがあるか検討

無税の品目以外、関税は物品の輸入通関時に必ずかかる費用であり、金額が大きいものや物量の多い品物、税率が高いもの等、積み重なると結構な金額になります。
FTA/EPA協定をうまく使うことで、これら費用の削減につながり、価格競争力の向上にもつながります。
これらは物量や企業の個別事情によっても異なります。FTA利用には原産地証明取得などによるコストが発生するため、節税額がコストを上回らないとFTA利用の効果は望めません。
また投資優遇措置などによりあらかじめ関税が免除されているケースや、メリットが少ないこともあるため、個別に検討が必要です。
原産地証明取得などによるコストについて
日本商工会議所より:https://www.jcci.or.jp/gensanchi/fee.html

7、特定原産地証明書の入手

EPAに基づく特定原産地証明書の発給は“日本商工会議所”にて行われております。

全体の流れとしては以下の通りです。

1、日本商工会議所にて企業情報を登録する
2、原産品判定を依頼する
3、特定原産地証明書の取得

日本商工会議所1

8、特定原産地証明書を相手国(輸出先)へ提出し、適用してもらう

以上がEPA/FTAを利用するための日本企業ができる内容になります。
また、最終的には現地企業(輸入者)が申請を受理されるかが問題になるので、彼らとのコミュニケーションは必須です。

まとめ

EPA/FTAとは2カ国(以上)の企業がより豊かになるために締結している協定です。
今回は物販を中心に記事を作成していますが、他にも様々な分野でも利用されています。
例えばフィリピン・インドネシアの『看護師分野』の開放があります。
一定の条件を満たした上で看護師試験に合格すると、日本で看護師として働くことができる制度が出来上がりました。
これもEPAの『人の移動の自由』が形になったものです。
EPA/FTAの協定は日々変化し、自由な開かれた市場へ成長しようとしています。
これは、これから海外市場でチャレンジする企業にとっては優位に進められる武器として是非使ってみてください。

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