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船荷証券(B/L)についてはこれを読め!

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貿易実務の中で“最重要な書類”とも言われるのが船荷証券です。
船荷証券(B/L)の発行・記載内容・取り扱いには十分に注意する必要があるにもかかわらず、詳しく知りたい部分がいまいちわからない船荷証券。

そこで今回は船荷証券(B/L)について徹底解説します。

-目次-

1:船荷証券(B/L)とは何か(実際の書類で解説)

2:船荷証券(B/L)の発行までの流れ(図で解説)

3:船荷証券(B/L)発行に必要な書類や手続、料金(実際の書類で解説)

4:船荷証券(B/L)に関する注意点~もしB/Lを紛失してしまったら…~

5:まとめ

1:船荷証券(B/L)とは何か.なぜ重要なのか.

船荷証券とは貿易に使われる船積み書類の一種で、英語のBill of Ladingを略してB/L、ビーエルとも呼ばれます。

船会社が輸出者の貨物を受け取った時に発行される書類で、下記3点を集約したものです。

・船積み地点で荷送人から貨物を確かに受け取ったこと
・指定された荷揚港まで貨物を輸送すること
・荷揚港で荷受人に貨物を引き渡すこと

▽実物の写真はこちら▽

図_船荷証券の例

B/Lの役割を各人の立場から見ると、主にこのような役割があります。

輸出者:貨物を確かに船積みして発送したことの証明書
船会社:貨物を輸出者から預かったことの証明書
輸入者:貨物を受取るための引換証

B/Lがどのようにこれらの形を担っていくのか、実際の流れを元に見ていきましょう。

まずは下図をご覧ください。

図_船荷証券の流れ

①輸出者から船会社に貨物が引き渡され、船積みされた後、

②船会社よりB/Lが発行され、

③輸出者はそのB/Lを航空便などで速やかに輸入者に送り、

④輸入者はそのB/Lを船会社に提示し、貨物の引き渡しを要求します。

出典:Icons8

B/L所持人=貨物の所有者”として見なされる有価証券なので、これが輸出者から輸入者に渡された時点で貿易取引が成立します。

仮にこれを紛失し、善意かつ無過失の第三者がそれを取得した場合は、船会社はその者に対して貨物を引き渡す義務が生じます。

要するに商品を丸ごと紛失したのと同じなので、そのような意味で、貿易取引の中で最重要と言える書類でしょう。

基本的なB/Lの役割としてはここまでで述べたとおりですが、余談として、B/Lはリスク回避などにも活用することができます。
たとえば、輸出者の立場からすると支払いの遅延といった金銭トラブルのリスクも考慮しなければなりませんが、

船積みの前に残額を決済し、着金までの間に船積み。着金後にB/Lを送る」というように「支払いされるまで引換証を渡さない」方法などが使われることもあります。

また、B/Lのやり取りは、従来は原本で行うものとされていましたが、
近年は船舶輸送が高速化したこともあり、B/Lの原本が郵送で届くよりも前に貨物のほうが届いてしまった、という場合もありえます。
そうなってしまった場合、銀行から保証状を入手するといった費用と手間を掛けるか、B/Lを受け取るまでは貨物を荷揚港の保税区から出せないことになり、輸入者にとっては不便となります。

そのため、現状は「サレンダードB/L(Surrendered B/L)」あるいは「海上運送状(Sea Waybill)」というものが使われるようになっています。それぞれ以下のようなものとなります。

サレンダードB/L

船積み地で回収(サレンダー)されたB/Lという意味です。
B/Lの原本ではなく、メールやFAXで送られたB/Lのコピーで貨物を受け取り出来るものです。
特別にサレンダードB/L用の書式があるわけではなく、通常のB/Lを使って船会社に依頼することで作成されるものです。
航行時間の短いアジア域内での航路を使った取引で一般的に使用されます。

▽サレンダードB/Lの手続きは以下の流れになります▽

1. 船積みが終わり本船の出港後、船会社よりB/Lが発行される
2. 荷送人が船会社にサレンダードB/Lを発行したい旨を依頼する
3. 荷送人によって白地裏書(宛先を記載せず、荷送人の社名とサインのみ書かれたもの)されたB/Lの原本全てを船会社が回収する
4. 船会社は回収したB/Lに、“SURRENDERED”といった記載をする
5. 船会社から荷送人に“サレンダード”となったB/Lが返却される
6. 船会社は当該貨物のB/LがサレンダードB/Lであることを荷揚港の船会社に連絡する
7. 荷送人は荷受人にサレンダードB/LをFAXやメールで送信する
8. 荷受人はそのデータを使用して貨物を受け取る

サレンダードB/Lは便利な方法ですが、留意しなければならないのはこれが条約などで規定されたものではないことです。

事故が発生した場合の判例もまちまちであり、リスク要因となりかねないので事前にある程度の合意を形成しておくことや、”長く取引を行っていて信頼できる相手としかこの方法を使わない“といった備えは必要です。

海上運送状

貨物引換証であり、書類そのものが貨物の所有権を示す「有価証券」であるB/Lと違い、単なる「運送状」です。
主に北米・欧米航路で一般的な方法です。

▽海上運送状手続きは以下の流れになります▽

1. 荷受人は船会社に海上運送状の発行を依頼する
2. 荷揚港に荷物が到着し次第、船会社から海上運送状記載の連絡先に対して、貨物が到着した旨通知される
3. 荷受人はその通知に署名して提出すれば、船会社から荷渡指示書が発行される
4. 荷渡指示書を元に荷受人に貨物が引き渡される

サレンダードB/Lとの違いは、海上運送状は通常のB/Lと同様に国内法の適用が受けられることです。国際統一ルールのもとに運用が明確化されていることなどがあり、国連などは海上運送状の利用を推奨しています。

2:船荷証券(B/L)の発行までの流れ

ここまででB/Lの役割と、実際の貿易取引上の流れを見てきましたが、次は“B/Lを発行する時の流れ”を見ていきましょう。その流れは非常にシンプルです。

▽B/Lを発行する時の流れ▽

①輸出者が船会社に船積み依頼書(Shipping Instructions)を提出し、船積み手配を指図する
②船会社は船積み依頼書を元に、B/Lを作成する
③在来船の場合は船積み後、コンテナ船の場合は船会社の受け取り後に、船会社から輸出者にB/Lが送られる

慣例上、B/Lの原本(Original B/L)は3通発行されます。
※なぜ3通かというと、1通のみの発行の場合、それが紛失されれば誰も商品を受け取れない事になるからです。
多くの場合、最初に2通・後から1通を分けて送り、片方が紛失されても、もう片方で貨物の受け取りが出来るようにします。

B/Lが船会社から輸出者に送られるにあたっては、下記条件が揃っていることが必要です。

・船会社に船積み依頼書を提出していること
・船会社が貨物を受け取っていること

また、発行にあたっては下記料金の支払いが必要です。

・船会社にB/L発行手数料(通常2,000円程度+消費税)
・契約条件によっては、船会社に対するサーチャージ

以上をもってB/Lが輸出者に送られるので、輸出者は輸入者に直接送るか、信用状取引の場合は銀行にB/Lを提出することになります。

3:船荷証券(B/L)発行に必要となってくるもの

輸出にあたっては、船会社に対して以下の3点を提出する必要があります

・仕入書/商業送り状(Invoice)
・梱包明細書(Packing List)
・船積み依頼書(Shipping Instruction)

この中で船荷証券の発行と直接結びついているのは船積み依頼書です。

船積み指図書とも呼ばれるこの書類ですが、通関業者/船会社がB/Lを作成する上で、記載すべき情報を指定するもので、
この書類に基づき、通関会社よりB/Lが発行されます。

▽下記が依頼書の例になります▽

図_船積み依頼書の例_商船三井
出典:商船三井

4:船荷証券(B/L)に関する注意点

非常に重要な書類であるB/Lですが、郵便事故、盗難などによって紛失してしまう場合も考えられます。

法的には、B/Lの除権手続きを踏まないといけないのですが、このためには1年近くの時間が掛かります。
とはいっても、1年間も貨物を留めておくことは、船会社、受荷主共に出費がかさみ、双方にとって不都合が生じる為、商習慣として別の方法が取られています。

とはいえ、B/Lは有価証券である為に、紛失或いは盗難にあったB/Lを善意・無過失で取得した第三者が現れた場合、船会社はその者に対し貨物を引き渡す義務が生じますので、紛失したからといって、簡単に再発行してもらえるわけではありません。
船会社によっては絶対不可としているところもあるので、事前に船会社に確認が必要となります。

再発行が許可されている場合、下記の方法で再発行を受けることになります。

<輸出者が紛失した場合>

①輸出者(荷主)と銀行による連帯保証状(Bank L/G)を引き換えに、船会社にB/Lの再発行を依頼する。

②当該貨物のCIF価格の150%相当額の保証金(Cash Deposit)および輸出者の保証状(Single L/G)を引き換えに、船会社にB/Lの再発行を依頼する。

<輸入者が紛失した場合>

基本的には、B/Lの原本と引換に荷渡指図書をもらわない限り、船が到着しても貨物の引き渡しを受けることはできません。
しかしながら、

・B/Lを紛失した
・本船が到着してもB/Lが荷受人のもとへ届かない

といった場合に、B/Lの再発行ではなく、本来はB/Lと引き換えに発行される荷渡指示書(Delivery Order, 略称D/O)の発行を依頼することになります。

①輸入者(受荷主)と銀行による連帯保証状(Bank L/G)を引き換えに、船会社にD/Oの発行を依頼する。

②当該貨物のCIF価格の150%に相当する保証金(Cash Deposit)、および、輸入者(受荷主)の保証状(Single L/G)と引換に、船会社に荷渡指示書(D/O)の発行を依頼する。

法定の方法であるB/Lの除権処理については、下記の通りとなります。

<B/Lの失権について>

B/Lは有価証券ですので、盗難、紛失等により喪失した場合には、それを所持する善意・悪意の第三者が現れた場合に備え、当該のB/Lの無効を宣言する除権判決を受ける必要があります。申し立てにから手続きの完了まで1年ほど掛かりますが、手続きは以下の通りです。

①証券の履行地(貨物の揚地港)を管轄する簡易裁判所に必要書類を添えて、公示催告の申し立てを行う。
②裁判所は、6ヶ月の催告期間を指定して、当該証券につき権利を有するものはその旨を申し出るべきことを公示し催告する。
③公示期間中に権利の届け出が無ければ、公示期間は満了する。
④届出人が現れたときには手続きは中止され、権利者がどちらであるかが争われ、申立人の権利が認められれば届出人に対し当該B/Lの引渡請求ができる。
⑤公示催告期日に申立人又はその代理人が裁判所に出頭し、除権判決を求める申し立てを行う。
⑥この申立に基づき裁判所が除権判決を行うと、当該B/Lは無効となり、裁判所はその旨を官報に公告する。また、申立人に判決本文が交付され、これによりB/L上の権利

を主張することができる。

この通り、B/Lを紛失すると大変手間がかかる上、貨物そのものの紛失にも繋がる可能性があり、船会社や銀行からの信用も大いに失われることになります。
非常に大きなリスクになりますので、くれぐれも取扱には注意しましょう。

その他の注意点としては、B/Lの記載内容の間違いによるトラブルが挙げられます。

<B/Lの記載内容に間違いがあった場合>

通知先や荷送人/荷受人、商品の明細などの内容が間違っていた場合、貨物が到着しても荷受人が受け取ることができない…という事があります。
些細なスペルミスでもこのようなトラブルは起こりかねないので、輸入者・輸出者ともに、B/Lはしっかりと確認するようにしましょう。

記載項目に間違いがあった場合、船会社に手数料(通常3,000円~5,000円程度+消費税)を支払って修正を行うことになります。
修正については輸入地ではなく輸出地の船会社で行うことになるので、万が一間違いがあった場合に備えて、輸出地側でしっかりチェックすることが必要です。

5:まとめ

B/Lとは何か、貿易取引上どのような流れで渡されていくのか、発行する方法や必要書類についてなどまとめた記事ですが、いかがだったでしょうか?
たった3枚発行される書類ですが、この書類そのものが貨物の所有権を表すものなので、くれぐれも取扱には注意す
るようにしましょう。 

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