【中小企業の海外進出事例】香港大手書店チェーンに輸出が決まった時の話

【中小企業の海外進出事例】香港大手書店チェーンに輸出が決まった時の話

日本の技術を活かした文房具、雑貨を販売されている株式会社エポックケミカル様と私たちは、昨年の11月から取組を開始しました。株式会社エポックケミカル様の事業は、文房具・雑貨OEM事業、プラスチック成型、オリジナルブランドの販売を行っています。特に商品成型に必要な金型に対する投資が多く、あらゆる素材に書ける特殊なインクを作っているなど商品を作る事を得意とする企業です。

その技術とアイディアが詰まった商品で昨年12月から香港での販売を開始し、香港、マカオに約50店舗を持つ大手本屋小売チェーン店へ導入がされました。その結果に至った経緯を販売責任者の小高様にインタビューさせて頂きました。また、私たちが行った活動をご説明します。

【販売責任者の小高様にインタビュー】

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・会社紹介

会社名:株式会社エポックケミカル
商品:RAKUYAKIブランド
HPURL:http://www.epoch-chemical.jp
小売価格:¥1,800~(税別)
(商品特長)
オリジナル商品『RAKUYAKI』は、陶器・グラス・金属類などに特殊なペンで描いてオーブンで焼くだけで簡単にオリジナルアイテムが作れます。贈り物としてはもちろん、ご自身の持ち物に、ひと手間くわえて世界に一つだけのオリジナル食器・小物などを作れます。

・デザインを工夫すれば海外にも展開できるのではと感じました。

(海外に進出したいと考えられた経緯を教えてください)
当然、日本以外の方が市場は大きいですし、長期的に見たら、やらなければいけない活動であると考えてます。きっかけは3-4年前にドイツの筆記用具の展示会に出展した事です。正直そんなに深く考えず、経験の一つとして出展しましたが、他国の商品を見た時に『デザインはカッコいい商品』は多くありましたが、実用性や機能性では負けないと思いました。その時にデザインを工夫する事で海外への展開も出来るのではと思いました。

・台湾では2年ほど展開をしています。

(私たちとの取組以前には、海外での販売は行っていましたか?)
台湾の展示会で顧客を獲得しました。台湾では大きく展開しているわけではないですが海外での販売は経験しています。知り合いの企業が台湾で販売している事を知った事が経緯です。その方と情報交換をしていく中で台湾での日本商品に対する評価が高い事を知り、台湾の展時会に出展したという流れです。今でも継続したお取引になっているので非常に良い関係性だと思っています。

・日本商品に対して良いイメージを持ってもらっている方が多いと感じました。

(香港という市場にどのようなイメージを持っていますか?)
国際的で、商品流通もしっかりしているイメージがあります。また、日本商品が多くある事は知っていました。

・継続して販売する事が大事だと考えてます。

(今回の香港企業へ販売した事についてどう感じましたか?)
以前、香港企業への販売を行った事はありましたが、連絡が継続的に取れず取引も継続する事が出来ませんでした。なので、今後は継続して香港企業にコンタクトを取り、商品に対する理解度を上げる活動を積極的に行いたいと思っています。

・香港の展示会に出展してみたいです!

(今後の海外進出の展望をお聞かせください。)
もう少し商品ラインナップを多くしたら、香港の展示会に出展しようと考えてます。単価が高い商品ではないので、商品数を多くしていく事が大事だと思っています。この商品作りでは『Made in Japan』の表記は必ずするなど海外市場向け商品を意識しています。

また、最終的にはEUでも展開していきたいと考えています。EUの商品はデザイン的にはすごく先端すが〔書きやすさ〕や技術では負けないと思っています。私たちは、OEMを主軸に行っているので、技術力には自信があります。この技術を活かした商品で展開したいです。

【私たちが行って『成果』を実感したポイント】

・商品価値を正確に理解して頂くために通常より多めのサンプル送付

日本商品は他国と比較すると高価な商品が多いです。また、説明内容が不足していると海外企業は『よく特徴がわからないし、高い商品』という印象を持ってしまいます。そうなってしまうと購買してもらえる事は難しい事は明確です。なので、高くても買ってもらえる工夫が必要となります。その工夫とは商品価値を正確に伝える事です。特にこの『RAKUYAKI』の特徴は『自分で好きな柄や絵が描ける』事です。この【楽しみ】を実感してもらうために、商品サンプルを多めに香港企業に提供しました。その結果、キティちゃんの絵を書いて写真を送ってくるなど海外企業が商品を楽しんでました。この事で商品価値を理解して頂く事が出来ました。

・全ての活動を迅速にするコミュニケーション方法

クリスマス商戦の時期であった事もありますが、迅速な活動必要でした。海外企業の活動、判断は非常に早いです。まだご覧になっていない方は日本企業が海外進出をするにあたって、スピードが大事だと海外企業が話すインタビューをご覧ください。【シンガポール企業と取引をするにはスピードが必要だった。】
この商談でも迅速な活動が出来るように、海外企業、日本サプライヤー企業、弊社で3社間のSNSでチャットグループを作成し、連絡に気づいた人がコミュニケーションを取るという方法です。この活動によって特に海外企業の質問事項に対する返答も3時間以内に行いました。

・商品をわかりやすい売り場作りに必要な販売促進物提供

商品を説明できる販売促進物も商品と一緒に提供しました。この商品がなぜ良いのか?なんのための商品なのか?それを瞬時に理解できるように、デモンストレーションサンプルを商品の横に陳列されました。この事により、現地小売店や消費者から高い評価を受ける要因になりました。
エポックケミカル売り場写真

まとめ

商品を理解して頂く事は、『高単価な日本商品』を導入して頂ける大きな要因になっています。『海外企業が買う事をコミットしなければサンプルを出荷しない、情報を提供しない。』という事も度々お聞きする事があります。確かに、類似製品(パクリ商品)を作られる原因になるケースもあると思います。ただ、あまりそのリスクだけを考えると、せっかくの商談機会を失う原因にもなるという事もあります。いつ、サンプルを出荷するか?情報を提供するか?この判断により成果は大きく異なる事を実感した事例でした。

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