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輸出しやすい国の象徴『香港』アジアの貿易拠点の実態

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札幌と同じ大きさでアジアを代表とする経済地域、多国籍企業がアジア太平洋の地域統括拠点にしています。
世界三大金融センターの一つであり、世界の多くの企業がアジアで展開するために、香港市場、香港からの再輸出市場を狙っています。

香港に販売したら、アジアで販売出来る!

【基本情報】

  • ・国名:香港
  • ・首都:香港
  • ・面積:1,104 km2
  • ・人口:724万
  • ・人口密度:6,561.59 人/km2
  • ・一人当たりの名目GDP(USドル)    : 37,777.19 USD
  • ・一人当たりの購買力平価GDP(USドル) : 52,721.97 USD
  • ・通貨:香港ドル
  • ・公用語:中国語、 英語

※情報基:
面積:CIA「The World Factbook」
GDP、人口:IMF「World Economic Outlook Databases」
人口密度: IMF「World Economic Outlook Databases」 , CIA「The World Factbook」

※補足説明※
購買力平価とは「為替レートは2国間の物価上昇率の比で決定する」という観点により、インフレ格差から物価を均衡させる為替相場を算出しています。また、各国の物価の違いを修正し、より実質的な比較ができるとされています。

1.日本企業の身近な貿易相手国。香港市場の実態。

  • 【香港GDP構成比 2012年度】
  • 貿易、卸・小売業:25.5%
  • 金融・保険:15.8%
  • 不動産・法人サービス:11.3%
  • 輸送・倉庫・郵便:6.3%
  • ホテル・外食:3.5%
  • 製造業:1.5%
  • ※情報基:公益財団法人国際金融情報センター

GDP構成比をみても、貿易の割合は多くまさに、地域が小さく経済発展をしている地域の特徴でもある、貿易依存度は高い地域です。
また、日本の輸出先としても国、地域の中で5番目に多くさまざまな商品を日本から輸入している地域です。
香港に一度は行った方であれば、ご存じのように『どこに行っても日本商品がある』と感じられると思います。

【コンビニに販売している雑誌】
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【スーパーのお菓子売り場】
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2013年度では、
日本向けの輸出額:1,352億香港ドル 前年比△6.1%
日本からの輸入額:2,863億香港ドル 前年比△8.1%
※情報基:Jetro
伸び率自体は減少していますが、日本の輸出相手国としては外せない地域と言えます。
ただ、日本商品が溢れている国だからこそ、今後継続して成長を期待できる地域かどうか?という事に対して疑問でもあります。

その判断になるような情報を含めて、香港市場をご説明します。

2.香港市場は成熟している? それとも今後も成長を期待できる?

香港はフリーポートであり、アルコール飲料、たばこ、ガソリンなどの特別な既製品目以外の商品は、免税で輸入が可能です。
故に各国の多くの企業が、香港市場での消費もしくは、香港から第三国への輸出を狙いとしています。
物が飽和している。既に参入障壁が高い。という声もある香港でありますが、多くの企業が未だに参入してきています。

2-1.香港へビジネス目的で法人、事務所を設立する企業が増加。

香港でビジネスを行う企業の数は増加しており、現在までに約2456社が香港にオフィスを構え、別途1379社は香港にアジアを中心とした他事務所を統括する拠点を構えています。
このうち、香港にオフィスを持っている日本企業は2013年時点で484社と、2012年の456社から6%増加しています。
※情報基:中華人民共和国香港特別行政区政府

2-2.香港の貿易額は増えている。

2013年の香港からの輸出額は前年比3.6%増の3兆5,597億香港ドル(約49兆1950億円《1香港ドル=13.82円換算》)また、このうち再輸出が3.8%増の3兆5,053億香港ドル(約48兆4432億円《1香港ドル=13.82円換算》)
地場輸出は544億香港ドル(約7518億《1香港ドル=13.82円換算》)となっていて、貿易全体の98.5%が再輸出で占めています。
地場輸出とは、香港で製造された物の輸出という意味ですので、ほとんどが仕入て販売しているという形態です。
また、輸出先は中国が多く54.8%を占め、2位は米国、3位は日本となっています。

輸入は3.8%増の4兆607億香港ドル(約56兆1,188億円《13.82円換算》)となり、貿易総額の伸び率は3.7%と前年(3.4%)に続き3%台です。
また、日本は中国に続いて2位の輸入相手国です。

この事から、香港への輸出額は高く推移していますが、そこから別の地域に流れるというような流通形態がほとんどである事がわかります。
香港に商品を展開したら、中国、台湾、東南アジアでも販売されるというような、形態も少なくないようです。
なので、アジアのトレーダーとしての役割がある事を理解し、バイヤーと付き合っていくことが必要であると思います。

3.日本との商習慣の『違い』と『同じ』

3-1.日本の掛け率で価格設定している営業は通用しない?

香港の商習慣について日本と大きく異なる点があります。これは、現地企業への営業展開を考える際には知っておくべきポイントです。

日本のビジネスにおける《小売上代の何掛けで卸下代です。》というような言葉を良く活用し、商談を行いますが、香港企業とのビジネスにおいてこのような形態で日本企業が価格設定を設定を行う事は、不利な状況を作りだす場合があります。

大きな理由は香港の小売店舗家賃は世界で一番高く、1坪年間で借りた場合:約1,154万円になっている事です。この数字は銀座の約3倍になります。
香港家賃
※1ユーロ:138.8円
※1㎡:0.3坪

そのため、小売店舗はこの費用の確保が必要になるため、他地域の小売店舗以上に獲得マージンが多くなります。
また、上場企業等の大資本企業が小売店を多く占めています。
これは、特に香港市場の特徴とであり、これがどのように日本企業に影響を与えるか紹介します。

香港の上場企業の中から有名ドラッグチェーンを展開している企業のIR情報は下記のとおりです。
香港に行った方は一度は目にした事がある、ドラッグチェーンストアの、『SASA』『Bonjour』ですが、ともに売上からの粗利率が50%弱と、日本のビジネスと比較すると、かなり大きな数字になっています。

※Bonjour IR情報※
※Bonjour IR情報※
※SASA IR情報※
※SASA IR情報※

【店舗風景 SASA】
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【店舗風景 Bonjour】
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そのため、日本企業が小売り上代の設定と、小売上代に対して50%の卸下代を設定し商談すると、香港の輸入問屋は到底着手出来ない商品になってしまいます。
そこで、香港輸入企業に対しては、『CIF○○$で販売します。』という回答をお勧めします。

3-2.インターネットを活用するマーケティングが先進している。

情報の発信・受信が容易な香港。
中国では規制されているグーグル、フェイスブック、ツイッターも問題なく活用できます。
ネット普及率も高くアジアの中では、日本、韓国、台湾に続いて4位の74.2%となっています。
※情報基:ITU – ICT Statistics

弊社の香港バイヤーの中でも『この日本商品のアドバタイズにFacebookページを作っても良いか?』という質問をよくされます。
ネット普及率が高く、自由にネットを活用できる地域では日本同様に、インターネットが消費者の情報源に大きな影響を与えると言えます。

4.香港進出するために抑える2つの開拓方法

4-1.世界最大規模の展示会

香港では、小さい展示会も含めると年間100を超える展示会・商談会が開催されています。
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ギフトや包装業界で世界最大規模の展示会であるのHong Kong Gifts & Premium Fairにおいては、2014年の開催で34の国と地域から4,136社が出展し、4日間で約140の国と地域から、51,358人のバイヤーが集まりました。
この中で特徴と言えるのが、香港外から来場したバイヤー数です。
香港外からのバイヤーは27,365人(全体の53.28%)と香港内のバイヤーの数を上回っているのです。

『香港の展示会に出展したが、別の地域の企業への成約が決まった』という事も良くある話です。

日本内での展示会では日本外のバイヤーが来場者の約2%と言われている事から、この数字がいかに大きいかが分かります。
香港の大規模な展示会への出展することができれば、香港だけでなくそれ以外への販路開拓を視野に入れることも可能となります。
※情報基:香港貿易発展局

4-2.日系企業、日本に仕入拠点を持つ香港企業の開拓。

日本の百貨店(SOGO)、ショッピングモール(イオン)も香港での展開を続けています。
SOGOはLifestyle International Holdingsという香港企業に売却したため、実質日本の企業ではなくなっていますが、イオンモールは9店舗 展開しています。
また、香港を代表するスーパーであるC!ty Superは、日本に仕入法人を持っています。

このように、積極的に日本から調達をしている香港企業、日本の小売り店をそのまま香港にもっていっている日系企業、これらに提案活動をしていく事も有効な手段と言えます。

過去には、多くの日本百貨店が香港に存在しており、以降、日本文化が香港に根付くきっかけを作ったとも言えます。

  • 《過去に香港に存在した日本百貨店》
  •     大丸:1960年進出。1998年撤退。
  •    伊勢丹:1973年進出。1996年撤退。
  •    松坂屋:1975年進出。1998年撤退。
  •     三越:1981年進出。2006年撤退。
  •  東急百貨店:1988年進出。1998年売却。
  •  西武百貨店:1990年進出。1996年売却。

5.まとめ

香港は、日本との貿易額が多く、フリーポートであり貿易に対しては参入障壁が低い。
多国籍企業がアジア太平洋の地域統括拠点にしている=香港に展開する事で他地域への展開も狙えます。
日本の文化にもなじみがあり、日系小売店の展開もされている。

おそらく、あなたの周りにも香港で展開している日本企業は少なくないのではないでしょうか。
日本でも香港への展開支援を行うサービス業や、販路を持つ商社は多いと思います。
そこを利用した海外進出をするための最初の国として選ぶ企業も多い地域です。
ただ、それと同様に競合他社も多い。という認識もしておく必要がありますね。

【香港で香港企業との会食の際に仲良くなった、ロシアの方とウクライナの方】
※皆さんビジネスで来られてました。
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