海外で通用するために不可欠な3つのビジネススキルとは

日進月歩で進むグローバル化。
外務省の「海外在留邦人統計」によると海外に転勤・移住をした人数はこの5年間で約9.9%(7万7,344人)増加しています。
●上位7か国の在留邦人数推移
オンラインを含む語学学校の市場規模もここ3年で2倍ほどに伸びており「いつかは海外で仕事をしたい!」と考えるビジネスパーソンも多いでしょう。
教科書を勉強し、その後テストで結果を見てきた日本教育に慣れ親しんだ日本人からすると、海外で仕事をするにはまず英語!とインプットから始めるのが一般的です。
私も英語が出来ないと海外でビジネスは出来ないと思っていました。しかし一般的に最重要と思われがちな語学力ですが、実はそうではありません。
これまでセカイコネクトではグローバル人材の「定義」「育成」「必要な能力」と色々な角度からグローバル人材について考察してきました。
今回は実際に海外で働いている私たちの視点から海外に通用するビジネススキルについてお伝えします。
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・上場企業が考えるグローバル人材の定義とは?
・上場企業が実践してるグローバル人材の育て方
・世界に通用するグローバル人材に必要な6つの能力
目次
日本では通用するのに海外で失敗してしまうのはなぜなのか
海外とのビジネスに成功する可能性が高い人は総じて、実際に海外でのビジネス経験があったり、異文化との交流に慣れている人です。
海外でのビジネス経験がない場合「日本の常識は世界の非常識」という表現もあるように、日本の常識だけでことを進めてしまった際に思わぬ落とし穴に引っかかってしまうこともあります。
たとえば海外では、給料が少しでも良いところがあればすぐに転職をしてしまったり、上司に対して部下が日本以上に強く意見を主張するパターンもしばしばあります。ストライキが起きることもあれば、出店間際の商品が盗難されたりすることもあります。
国籍も文化も法律も違うところで仕事をするのであれば、異文化に触れた経験があるという実績とまたその国の人々の習性や傾向を知っていることも必要です。
特に年齢が上がれば上がるほど、海外でのビジネス経験は大切になります。
では具体的に海外で通用するために不可欠なビジネススキルとは一体何でしょうか。3つの重要ポイントを見てみましょう。
海外で通用するために不可欠な3つのビジネススキルとは
ビジネススキル① 指示待ち人間ではなく自分から仕事を生み出せること まず、与えられた仕事だけでなく、自分で仕事を創ることができる人であること。
海外事業はほぼゼロ、またはゼロに近いところから新規事業のような形で市場調査をし、事業のニーズを捉えたり、現地法人の設立、人材の採用、マネジメントなど、日本とは異なる仕事を多く体験することになるでしょう。
日本と現地では法律なども違うため、ことさらギャップがあるはずです。企業としては海外事業で成功体験のある人間を駐在として送り込むのが理想ですが、実績がある人間が必ずしも社内にいるとは限らなかったり、成功していればその駐在エリアも離れにくいということがあります。
そのため新規に社内で人材を選ぶのであれば、日本国内で評価が高く仕事ができる人間が選ばれることでしょう。語学力より一番にこの能力の高さが、海外で通用するビジネスマンには必要となります。
ビジネススキル② 強い精神力や努力を持ち合わせていること
海外でビジネスをしていると、多くの壁や困難に立ち向かわざるを得ないことがあります。
そんなときにいちいち動じてしまったり、誰かの判断を仰がなければまったく行動ができないという状態ではビジネスの成功はありえません。トラブルに巻き込まれたり、問題が発生しても逃げずにやりきれるかどうかというところが重要なポイントです。駐在員の中には、なんとかうまいこと駐在期間をやり過ごして日本に帰国したいと考えている人も多くいます。駐在期間は現地語も覚えず無難に時間を過ごすだけです。
しかし本気で海外事業を成功させるという気持ちがあるのなら日本にいるとき以上に、気合や努力を持ち合わせるべきです。大きな問題を乗り越えた経験値の高さはきっと評価されるはずです。
ビジネススキル③ グローバルな英語力を身につけていること
語学力はやはり必要な要素のひとつです。しかしただ外国語が話せればいいというわけではありません。
日本人と外国人とでは話の進め方や、ディスカッションの仕方まで大きく異なる場合があります。特に日本人は概念的な話が多くなりがちですが、異文化の相手、特に欧米人などは各論に踏み込み、具体的な部分に話が及びます。ロジカルシンキングができ、それを提案できる交渉力があることが大切なスキルなのです。
有能な国際ビジネスマンになるためにすべきこと
海外に通用するビジネスマンになるためにまずすべきことは、目の前の仕事の成果を上げ、上司からの評価を最大限に得ることです。
これだけでも相当大変なことですが、上司の評価が低い人間を海外事業の大舞台に送り出すことはできません。圧倒的な成果や信頼を生み出して、上司の目に留まる存在でなければいけません。 前述したビジネススキルを持ち合わせた上で、本社からの駐在にこだわらなければ行きたい国を決めた上でネットで企業を検索するのもひとつの手です。人材派遣会社に登録し担当者とスカイプで会話をし、現地に飛ぶといったような流れです。
日本での給料より下がることが多いですが、現地の生活水準を踏まえると悪い条件ではない仕事はたくさんあります。次のステップで日本の本社に転籍し、海外駐在になるといったパターンもありえなくはないですし、現地での独立の可能性もあるはずです。
まとめ
海外でのビジネスを成功させるのは大仕事のように思えますが、実現できる人がいることは確かです。自分に負けず、強い気持ちで海外にチャレンジすること、努力を怠らないことが約束できれば、条件は十分満たしているともいえるでしょう。特にこれからはアジア経済の発展が予想されているので、海外転職を考える際はアジアに目を向けてみてはいかがでしょうか。