1分でわかる!FCL輸送とは?

1分でわかる!FCL輸送とは?

貿易取引において輸送方法は取引を繋ぐ大事な役割を担います。ほとんどは海上輸送で貨物を送りますが、輸送方法がありすぎてイマイチわかっていない方も少なくありません。そこで今回は輸送方法の1つ”FCL輸送”についてご説明いたします。

FCL輸送とは?

FCLとは、Full Container Loadの略で「一荷主がひとつのコンテナを貸し切って」大口貨物を運ぶ輸送方法や、その貨物のことを指します。
一方で複数の荷主がひとつのコンテナに小口荷物を混載して輸送する方法やその貨物のことは、LCLといいます。

LCLについてはこちらをご覧ください▷1分でわかる!LCL輸送とは?

FCL「貨物」や、FCL「カーゴ(cargo)」という言葉を付け足すことで、商品を詰めたコンテナの貨物であることを強調する言い方もありますが、実際にはFCL貨物をFCLと呼んでも伝わります。

FCL輸送の流れ

FCL貨物の輸出地から輸入地までの流れを開設します。貿易会社や商社での貿易実務では荷積みや荷降ろし、通関手続きをフォワーダーが担当することが多いです。

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出典:http://b.pasona.co.jp/

《輸出地のFCL貨物の流れ コンテナ詰め→運送→輸出通関》

①輸出者は船積み手続きをフォワーダーに依頼し、コンテナを船会社から借り受けます。

②輸出者の倉庫や工場、フォワーダーの倉庫などで貨物をコンテナに詰め込みます。この作業を「バンニング、バン」とも呼びます。工場でコンテナに詰め込むことを工場バン、または工場バン詰めといい、バンニングの際には第三者の検数人、または工場・倉庫の責任者による貨物の数量&状態などのチェックがおこなわれます。

③輸出者、またはフォワーダーはコンテナの内容を明記した、コンテナ内積付表(ないせきふひょう/CLP:Container Load Plan)、ドック・レシート(Dock Receipt)を作成します。この工程は一般的には、輸出者の代わりにフォワーダーがおこないます。
またドック・レシートは4〜8枚つづりからなる書類で、貨物と一緒に動き、搬入場所で引き抜くなど貨物の受け取り確認に使用される書類です。かつては紙が使われていましたが、近年では電子化が進んでいるために使用されなくなりつつあります。

④船会社が指定するCY(コンテナ・ヤード)まで、トレーラーでコンテナを運びます。CYへ搬入される前には、ゲートにてコンテナのチェックがおこなわれます。

⑤フォワーダーは船会社と連絡をとり、コンテナが保税地域へ搬入されたことを確認してから、税関に輸出申告手続きをおこない、輸出許可を得ます。

⑥フォワーダーは、 CYのオペレーターであるCYOにコンテナ内積付表や輸出許可証を提出します。

⑦コンテナが船積みされ、船会社がB/Lを発行します。その後貨物は海上輸送されます。また一般的に輸出者はフォワーダー経由でB/L(船荷証券/Bill of Lading)を入手します。

上記③と⑦はあくまでも目安の流れとなり、実際には順番通りではなく同時進行になったり、書類の提出が前後したりすることもあります。

《輸入地のFCL貨物の流れ コンテナ荷降ろし→輸入通関→配送》

①輸入地に船が到着したら、コンテナは船からCYに降ろされます、

②輸出者から依頼を受けたフォワーダーは、輸入通関手続きをおこなうことで輸入許可を得ます。

③フォワーダーは、輸出者から受け取ったB/Lを船会社に持ち込んで、B/Lと差し替えに「荷私指図書(D/O)」を入手します。B/Lは貨物の引換証ではありますが、B/Lと貨物が直接に交換されるわけではなく、実際にはD/Oと貨物が引き換えられていることになります。

④フォワーダーは、D/OをCYOに提出し、コンテナ貨物とCLPを受け取ります。FCL貨物の場合は、貨物を引き取る際にコンテナを開けて確認することがなく、コンテナの外観上の破損がないかを確認するのみで引き渡しとなります。

⑤輸出者は、自社の倉庫、フォワーダーの倉庫、納入先などにコンテナを運びます。一般的には、輸入者は代行してくれるフォワーダーの倉庫へコンテナを引き取りに行く、またはフォワーダー(またはフォワーダーが手配した運送業者)に運んでもらうということが多いです。

まとめ

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FCL輸送はLCL輸送と比べ、ひとつのコンテナに対して入るだけ荷物を入れられるので、輸送費が下がり、輸送効率が良いというメリットがあります。
また、FCLでは輸出先でコンテナに貨物を詰め、輸入地でコンテナを開けるため、貨物の損傷リスクは低く、貨物にダメージがあった場合も原因が特定されやすいといわれています。さらにコンテナごとに輸出先から倉庫まで輸送できるので、引き取りも数日早くなる可能性があります。
なのであらかじめ貨物の積載量が多くなると分かっている場合は、FCL輸送をオススメします。

このようにFCL輸送とLCL輸送の2種類が主流としてありますが、この2つをかしこく使い分けてコストダウンや引き取り日の短縮を目指しましょう。

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