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もう働く必要はない?ベーシックインカムとは

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2019年10月に10%への消費税増税が再延期することになり、アベノミクスがうまく機能していないことが露呈されました。これにより政府債務の増大を抑えるための基礎的財政収支の黒字化は遠のき、社会保障制度の持続はますます困難になったといえます。ですが、日本がデフレから脱却するために注目されている施策があるのをご存知でしょうか?

ベーシックインカムとは

ベーシックインカムとは、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を無条件で定期的に支給するというシステムのことです。
まさに「働かなくてもお金がもらえる」夢のようなシステムですが非常に優れた仕組みです。これにより多種多様な生き方を選択でき、生きる上での保証がされることになります。元となる財源はどうするのか?という疑問が出てきますが、基本的に所得税を財源に充てるという考え方が一般的です。ベーシックインカムは基本的には何かを削ってお金を捻出しようという考えではなく、所得の再配分ですので、国民から今までより多く徴収して、それを国民にすべて還元するという考え方になります。そのため見方によっては新たな財源は必要ないと言えます。

1797年にイギリスの哲学者トマス・ペインによって、一律15ポンドをすべての人に支給するというベーシックインカムが提唱されている。以後ベーシックインカム導入は検討されたこともあったが、一般的に多くの福祉国家では、年齢や不運から仕事のない人への生活保障としてのプログラムが構築されてきた。しかし、ここ10年の間に、労働者の生活水準の向上に十分なだけの賃金の上昇がないという不安により、ベーシックインカムへの関心が高まってきたという。
出典:newsphere

各国で行われる議論

実際に6月5日、スイスでベーシックインカム導入の是非を問う国民投票が実施されました。国民投票といえばイギリスのEU離脱の記憶が新しいですが、なぜ欧州は頻繁に国民投票が行われるのか?それは国家の重要課題を国民投票で決定する直接民主制を欧州の国々は導入しているためです。

日本ではそれほど大きく報道はされていなかったので、この国民投票のことを知らない読者も多いことだろう。報道によれば、ベーシック・インカムを提案したスイスの市民運動は、当初から制度の実現よりも問題提起を目指していた面があったようだ。理想的過ぎるとの批判を受けつつも、推進派が求めたのは「自己実現のために働く社会」を考えることだったのかもしれない。最低生活保障について「78%が反対」という結果にもかかわらず、賛成票の割合が国民投票に必要な署名を集めた推進派の予想をはるかに上回ったことは、大きな意義があったということだろう。
出典:itmediaビジネス

スイスでのベーシックインカム導入は否決されたものの大きな話題となりました。スイスの反対理由は大方このようなものでした。

1.政府の財源不足
2.勤労意欲が失われる懸念
3.労働組合は想定する支給額では収入が減る年金受給者がいる

ここにベーシックインカムのデメリットが色濃く映されています。特に3つ目の理由です。それは既得権者の反対です。ベーシックインカムの長所として、行政の効率化が訴えられていたが、問題は効率化される側の抵抗です。

例えば、現在、「10」のメリットを得ている人のメリットが、制度変化によって、半分の人では「12」に増えて、残り半分の人では「8」に減るとしよう。個人が均質であるとするなら、行動経済学でいうプロスペクト理論(2002年にノーベル経済学賞を取ったダニエル・カーネマンが考案した意思決定のモデル)によると、人は参照点(この場合、現状で得ているメリットの状態でいいだろう)からのプラスの変化に対してよりも、マイナスの変化に対して2倍以上の心理的インパクトを感じるという。トータルではプラスマイナスゼロなのだが、心理的には12と−16でマイナスの変化に対するインパクトのほうが上回り、集団としても、得よりも損に強く反応するはずだ。
出典:diamondオンライン

他にカナダ、オランダ、フィンランドなど、数ヶ国でベーシックインカム導入が検討されています。日本でもベーシックインカムが経済を立て直す兆しになるのか議論が行われています。 

日本でベーシックインカムは適用するのか

生活保護よりも効率的という意見もあるが、働かなくても一定の収入を得られるため、勤労意欲が低下するなどの批判もあります。
世界トップクラスのGDPを持つ日本でベーシックインカムは適用するのでしょうか。

公的年金制度をそのままベーシック・インカムに置き換えることはあまりにも乱暴だと思われるかもしれないが、そもそも世代間の賦課方式である年金給付は、年齢による差別がある生活保護給付だと見ることもできる。高齢で元気な人もいれば、若くても健康に問題があり十分に働けない人もいる。つまり、公的年金において国民を年齢で区別するのはフェアではないと考えられる。

ベーシック・インカムで大きな問題となるのは、支給金額である最低生活保障をいくらにするかだが、日本では国民1人あたり月額6~7万円あたりが妥当かもしれない。なぜなら、現在の国民年金(老齢基礎年金)の受給額が満額およそ年額78万円で1カ月あたり約6万5000円だからだ。

また、この制度を年金保険料でなく全て税金でまかなうには、消費税率を大幅に引き上げることや、相続税をはじめとする資産課税の強化などが考えられるが、所得税率を一律45%程度にすることで、財源は十分に確保できるという専門家の意見もある。もちろん、ほとんどの国民はベーシック・インカムだけでは普通の水準の生活はできないので、別途働いて収入を得る必要がある。
出典:itmediaビジネス

ベーイックインカムを導入したところでそれだけで生活することができるわけではなく、それと合わせて仕事をすることを義務付けるというのが理想的な形で受け入れられやすいのではないでしょうか。ただ、既得権者と官僚の反対によりベーシックインカムはなかなか実現しないと考えられます。

例えば、年金がベーシックインカムに置き換わると、年金に関連する役所や役所の外郭団体の人員は、大いに削減可能だ。しかし、そこで不要とされた人が、潔く引退して、ベーシックインカムをもらうことで満足する、というようなことは考えにくい。権限やOBの就職先が減ることに対して、直接・間接両方の方法で陰に陽に抵抗するだろう。 このときの抵抗する側の真剣さと、そもそも日本の社会システムの枢要な部分が政治家やビジネスマンによってではなく、官僚によって動かされていることを思うと、ベーシックインカムが短期間で実現に向けて動き出すとは想像しにくい。
出典:biz-journal

まとめ

ベーシックインカムが導入されれば、締め付けの少ない社会で、柔軟な働き方を選択できます。さらに家族単位ではなく、個々人に支給されるので子供を作る障壁や育てる負担が大幅に軽減されます。消費が促進され、経済の活性化につながり、貧困による犯罪が減少します。生きるために働なければならなかったブラック企業にも努めなくてよくなるので消滅することも考えられます。ですが、ベーシックインカムを担保にした金貸しや、詐欺が横行したり、親が子供をたくさん作って、金だけせしめて育児放棄、育児怠慢といった様々な問題が懸念されます。ベーシックインカムを導入するにあたってこういったリスクや抵抗を乗り越えていく覚悟が必要となるでしょう。

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